プラシド・ドミンゴは、2010年の日本公演の時に腹痛を訴え、その後大腸ガンの手術を行いますが、1ヶ月程度で、すぐにオペラに復帰しています。2013年7月にも、肺塞栓で入院しましたが、10月には来日しています。そして、今回、半田晴久さんと共演する東京国際コンサートの会場と同じ東京国際フォーラムで公演をしていました。とにかく休むことを知らないところは、半田晴久さんとそっくりです。病気になっても、治るとすぐに復帰するというのは、若いならともかく、年齢を考えるとかなりハードなことだと思います。
すでに半世紀以上にわたって歌ってきて、世界の第一線でずっと活躍してきたわけですから、偉大というしかありません。全盛期の頃から、世界中をハードスケジュールで飛び回るそのバイタリティーは有名だったそうです。新たな仕事の契約を次々結び、60代になってから以降も、かえってハードな毎日を送ってきたそうです。
現在74歳とのことですが、ふたつのアメリカの歌劇場の芸術監督を務めていますし、指揮者としても精力的に活動するなど、本当に超人的な方ですね。若い歌手の育成にも熱心に取り組んでいます。
10年前のインタビューでは、初心の頃からずっと変わらず同じ情熱を持ち続けてきました。キャリアにたいする愛、音楽への愛などです。その気持ちがなくなった時が、私が歌うことをやめる時ですと言われていました。
プラシド・ドミンゴ世界オペラ・コンクール「 Operalia」という、有望な若手オペラ歌手育成のためのコンクールも1993年から始めていて、世界的な権威あるコンクールとして、ここから数十人ものトップ歌手が育っていったそうです。規模は違いますが、半田晴久さんも若い日本の声楽家を育てようと、努力されています。
そういう音楽界への貢献も偉大なドミンゴですが、世界的な社会貢献活動を続ける半田晴久さんとの出会いは、何か新たな刺激を受ける素晴らしい機会になるかもしれないですね。(さくら)
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