2015年6月19日スボーツニッボン
15日の新国立劇場、東京国際コンサートに出かけてきた。この日は半田晴久さんが会長を務める世界芸術文化振興協会主催で、ホセカレーラスが来日し、コナル・コード氏と、そして半田晴久さん自らもステージに立ち、3人による夢のような共演が実現した。
第1部では、コナル・コード氏と半田晴久さんが、 ほぼ1曲ごとに入れ替わりながら、歌曲を熱唱した。コナル・コード氏に関して説明すると、オーストラリア、ニュージーランドのバスの第一人者であり、フランス、ドイツ、スイス、イタリア、イギリス、スペイン、ボルトガル、また、イスラエル、アメリカでも出演し、国際派のバスとして知られている。今年のオペラ・オン・シドニー・ハーバーで上演された「アイーダ」にも出演した実力派の歌手である。パフォーマンスも上手で、個性的な俳優のような風貌を持つ人だ。この日も声量豊かに響くバスを聴かせてくれた。
第2部で、ホセ・カレーラスが登場し、圧倒的な美声を披露してくれた。繊細でかつ情熱的に歌うホセの声に、すぐに魅了された。大物の風格が漂い、見るものを引きつけ離さないとは、このことだろう。ただただ、歌に酔い続けた1時間だった。楽器のように響き渡る、そしてどこか陰影をふくむ魅惑的な声は、さすがに3大テノールとして一斉を風靡した威厳のようなものを感じた。しかも、いまだに少しも衰えを感じさせない。
そして、アンコールでは、日本歌曲の「川の流れのように」、そしてミュージカル南太平洋の大ヒットナンバー「魅惑の宵」を、半田晴久さん、コナル・コード氏が加わっての3重唱で聞かせてくれた。これは、素晴らしかった。半田さんの声も、本当に美声で優しい愛に溢れている。コナル・コード氏は、重厚そのものの声で、歌を引き締める。そこにホセの声が、美しく響いて、溶け合いながら一つの歌を歌い上げていく。歌唱を極限まで高めた、3人の音楽家の芸術の粋がスパークしたひと時であった。
その 夜は、忘れられぬ最高のコンサートとなった。(了)
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