2015年7月15日水曜日

半田晴久(深見東州)さんとマイケルボルトンの、この素晴らしき世界





今回は、大人のジャズの味わいをたっぷりと満喫させてくれる、半田晴久(深見東州)さんのヴォーカルが聴けた。1曲1曲丁寧に、小話やユーモアを交えて進むのは、いつもの半田晴久さんのスタイルだ。ホセ・カレーラスとの共演では、ほとんどお話がなく、歌のみを披露されたが、本来はこのスタイルが半田さんの持ち味であると思う。対話をしながら、音楽を楽しむ。このスタイルになじむと、むしろ音楽だけを聴かせるコンサートが、なにか物足りなく感じるから不思議だ。

この日は、一人の持ち時間がそれほどないようだったが、それでも14、5曲は歌われただろうか。すべてジャズナンバーであり、あるいはジャズにアレンジされた名曲だった。とても美しく響く声で、ますます歌唱に磨きがかかっている。すべてが英語の曲で、いつもの日本の歌曲や、イタリア後のアリアと違うにもかかわらず、きれいな発音で歌われている。日本人で、これだけ英語の歌詞を上手に歌えるならば、大したものだと思う。聞いてると自然に歌われるのでわからないが、同じ外国語でも、イタリア語に比べて難しいのではないかと思う。ロックのように叫ぶように歌うものは、まだいいが、今日のようなミディアムやスローなナンバーほど、へたをするとアラが見えるので、非常に難しいものだと思う。

今日は、バックバンドも全員が外国人であった。かおぶれに馴染みはないが、前評判通り、かなりのレベルの演奏を聴かせてくれた。このバンドの音に対するこだわりも、半田晴久さんの、ジャズへのあくなきこだわりからきているのだろう。ヘアーバンドというバンド名は、半田さんが遊び心でつけたのだろう。スキンヘッドのリーダーにヘアーバンドが似合うからということらしい。

マイケル・ボルトンも、この日の選曲は、ジャズが中心であった。シナトラに捧ぐからのナンバーが多く、途中で、グラミー賞受賞曲の2曲を歌った。いつまでも色褪せることのないツヤのある安定した声で、10曲前後を熱唱した。歌心のあるシンガーだけに、どれもこれも胸にぐっとくるものを感じる。2曲、女性ヴォーカルリストとのデュエットを披露したが、そこで場内の雰囲気も最高になった。そして、サックス奏者のソロの名演のあと、ボルトンは客席に現れ、男が女を愛するときを熱唱して、会場を沸かせた。

アンコールでは、半田晴久さんとポルトンが、この素晴らしき世界と、誰も寝てはならないを、一緒に歌った。この2曲は圧巻だった。半田さんは、相手が素晴らしい歌手だと、ますます冴えて、信じられないような美しい声で歌う。もちろんボルトンも負けてはいないのだが、この二人の共演は、長く語り継がれるような素晴らしいものとなった。



二人の偉大なるエンターテイナーに、この素晴らしきひと時を頂いたことに感謝したい。(了)








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