2年前に、スボーツ平和サミットという国際会議が開催された。スボーツと社会貢献に関心の深いスボーツ選手、関係者が、世界中から集まった。そしてさまざまなテーマについて意見を交換しあった。
テーマは幅広く、どれもスボーツと社会の関わり合いを通して、スボーツに何ができるのかというのが、根底にあるように感じた。私はこのサミットの様子を、両日とも会場で拝聴したが、スボーツの持つ力というものが、社会を救う力になることを初めて理解できたと思う。
日本でも スポーツは盛んだが、さまざまな国におけるスポーツの意味が、日本とは違っていることにも気がついた。しかし同時に、スボーツは世界の人種も民族の違いも超えて、一つになれるという可能性を感じることができた。
スボーツの力は侮れない。スポーツで救われた人は世界に大勢いる。非行や犯罪に走る 若年者が減り、人種間の争いが協力に変わる。そんな魔法のような力をスボーツは持っていることを確信できた二日間だった。
ちなみに国内外の多くのスター選手にも会うことができたのも、嬉しかったことのひとつだ。半田晴久さんの友人関係で、これだけ多くの世界の著名人が一堂に集う。なんと人間のスケールが大きい人なのだろう。
今回のゲストの中でもフィギュアスケートのミシェル・クワンには輝くような華があって、皆の注目度もNo1であったと思う。対照的なイベンダー・ホリフィールドは、男くささを感じさせるかっこよい逞しさがあり、存在感は断トツであったように思う。
日本からも、スケートの清水選手、ボクシングの平仲信明、マラソンの有森裕子、プロレスのザ・グレートサスケなど、一流のアスリート、スボーツ関係者が多数参加した。(了)
参加者の声を、いくつかネットから拾ってみた。
平仲信明オフィシャルサイト〜スボーツ平和サミットへ参加しました。
ザ・グレート・サスケ オフィシャルブログ〜スボーツ平和サミット
鈴木理沙P★LEAGUEオフィシャルブログ〜行ってらっしゃあ〜い
以下は、日中新聞 より 2013-08-06
スポーツの力は無限、人生と復興と平和に貢献「スポーツ平和サミット東京大会」盛大に
「スポーツの力は無限である。人生と復興と平和に貢献する!」――一般社団法人国際スポーツ振興協会(ISPS)と特定非営利法人世界開発協力機構(WSD)は7月18、19の両日にわたってホテルニューオータニ東京で「スポーツ平和サミット東京大会」を開催した。世界16ヵ国から47名のスポーツのエキスパートが大集結、基調講演、特別座談会、分科会など多彩な内容で展開された。
世界16ヵ国から専門家47名大集結。基調講演・特別座談会・文科会と多彩
「スポーツ平和サミット東京」のテーマは「スポーツの力は無限であり、人々の幸せと復興と平和に貢献する」。今回のサミットには16ヵ国から47名のスポーツのエキスパートが大結集した。
このサミットではスポーツの力がいかに人生に幸せと喜びをもたらし、社会をより良くし、平和に貢献する推進力となるか、世界中の事例を検証し、情報発信するのが目的。今回のサミットは実行委員長を務めた半田晴久氏のネットワークが拡大し、世界各国から集結した。
「大手広告代理店やプロのイベント会社などが一切関わっていない。すべて我々スタッフが運営する手作りサミット。今までにも数多くのシンポジウムや会議を開催してきたが、このサミットは最大のもの。世界中から集まったスポーツに関する学者、評論家、実践家はまるでスポーツの花園のように輝く個性と大輪の花弁を競う」と半田実行委員長。
なお、第1日目の「オープニング全体会議と基調講演」、2日目の「総括と開会の挨拶」は、ユーストリームでライブ中継した。また、文部科学省、東京都、公益財団法人日本体育協会などが後援した。
サミットの司会は元郵政大臣・国際スポーツ振興協会理事の矢代英太氏。開会式では下村博文(文部科学大臣)、猪瀬直樹(東京都知事)、竹田恆和(日本オリンピック委員会委員長)、半田晴久(スポーツ平和サミット実行委員長)の各氏が挨拶した。
基調講演はコリン・モイニハン卿(英国上院議員、前英国オリンピック委員会会長)が「スポーツと都市の再生 2012年ロンドンオリンピック・パラリンピックの遺産」、キャサリン・マーシャル氏(世界開発協力機構顧問、ジョ―ジタウン大学教授、元世界銀行理事)が「コミュニケーションから目的への移行 スポーツの価値と21世紀の人類発展の課題」、キャサリン・グレインジャー氏(2012年ロンドンオリンピック金メダル獲得者、英国ボート競技選手)が「若いリーダーシップとスポーツ外交」というテーマで独自の見解を述べた。
スポーツでいかに平和を構築するか。国際的枠組みのなかで役割を果たす
特別座談会のテーマは「復興とスポーツの力」。福島県富岡第一中学バトミントン部にはオリンピック出場を目指す若きアスリートがいる。しかし、2011年3月11日に東日本大震災が起きた。富岡町は震度6強の激しい揺れに襲われ、津波被害にも見舞われた。この特別座談会にはゲストとして福島県富岡第一中学・高校バドミントン部の生徒、さらに同中学校バドミントン部顧問の齋藤亘監督が出席した。なお、デモレーターは半田晴久氏。スペシャルゲストとしてイベンダー・ホリフィールド氏とミシェル・クワンさんが出席し、注目を集める発言をした。
半田氏は特別座談会をリードしながら「思う通りにいかない時ほど内的エネルギーが出てくる。震災・原発にあったが、負けない。スムーズにいった人より逆境の中で精神力が付く」「明治維新の志士たちは艱難辛苦を乗り越えることを自分に言い聞かせた。孟子は天がその人に使命を与えようとするときに試練を与える。試練を乗り越えて大任を果たせる人間になる」
「田村(旧姓)亮子さん(柔道)は一度勝つと、次に勝つために別のトレーニングを始める。以前と同じトレーニングをやっていると勝てない。次も勝つためにはゼロから叩き上げ、練習するという。そして新しい自分を出す。新しいトレーニングで全く以前と異なる自分を引き出す」
「スポーツをやっていて良かったと思えるのは達成感。それを魂が求めている。苦しみや努力が開花したときの充実感・達成感がスポーツの醍醐味。そこで人格が陶冶される。これがスポーツをやっていて良かったと思える瞬間だ」等々のコメントを述べた。
続いて分科会―第1組が行われた。分科会1のテーマは「スペシャルオリンピックとパラリンピックにおける普遍性と社会的参加」。諸分野を超越するスポーツの普遍的な価値が、スペシャルオリンピックやパラリンピックでどのように表現されてきたかを検証した。
分科会2のテーマは「文明間協調としてのスポーツ」。国際的な枠組みの中で平和の道具としてのスポーツについて考察した。現代の世界においていかにすればスポーツを平和構築に役立てられるかを模索した。
分科会3のテーマは「オリンピックと日本的価値観」。過去から未来への視点から、スポーツを平和と開発に生かした日本の活動について考察した。
スポーツの価値は世界に平等もたらす。一体となり、差異や分断を乗り越える
会議第2日目の19日は分科会―第2組からスタートした。分科会4のテーマは「スポーツと人間的成長、起業家精神」。スポーツがどのような人間開発に貢献しているかを、変革をもたらしている先駆的な試みを参照にしながら検証をした。
分科会5のテーマは「スポーツと芸術、メディア」。スポーツと芸術とメディアが一つになれば、世界の紛争地帯における地域共同体に解決の力を与え、若者を夢の実現に向けて奮起させることも可能になるだろう。この協力活動の成功例を検証した。
分科会6のテーマは「スポーツの価値観を通じた、若い女性のリーダーシップ育成」。スポーツはどのように女性の地位向上に役立つのか。男女平等という将来目標に向けた取り組みを議論した。
13時から総括と閉会の挨拶が行われた。分科会のハイライト発表、コリン・モイニハン卿とキャサリン・マーシャルさんが総括を行い、半田晴久実行委員長が閉会の挨拶を行った。
まず、キャサリン・マーシャルさんは「理想を行動に移すという発展の熱意を感じた。世界の発展、世界をより良くする熱意を共有できたと思う。このサミットは熱意とインスピレーション、スポーツの価値、チームワークの価値を見出した。スポーツの価値は世界に平等をもたらし、異文化間に平等をもたらすための新しいアイデアやメニューを提起した」と述べた。
コリン・モイニハン卿は「世界各国から多くのスポーツの専門家が集い、気高い平和・正義について話した。人と制度が一丸となった。ヤングリーダー、専門家、アスリートが日本文化を表した。スポーツの素晴らしさは一体となれること。差異・差別・分断を乗り越え、相互理解を深めるところにある」
「スポーツは人を一丸とさせる。人間性を確立できる。その意味でスポーツは社会にとって重要だ。サミットは新しいイニシアチブ、崇高な目標を提起した。スポーツは個人を卓越させる。それは誰にでも可能になる。スポーツは一般的なものを超越する。オリンピックの精神や共感を今回のサミットは奨励した」
「日本の根底価値は、尊敬の念に表れる。すべての文化を包含する、調和する土台を誇っている。日本の根底価値はスポーツをプラスの変化へ変えるために啓発する。オリンピックの尊敬・卓越・友情を促し、スポーツが平和の発展のツールになることをサミットを通じて確認した」
「スポーツは平和の構築を可能性する。対立を吸収して、競技を通じて平和と相互理解を確立する。戦争・暴力・格差を解消する。スポーツはコミュニケーションを促進し、対立する相手と自己に尊敬の念を抱かせる。スポーツは友情を育み、障壁を乗り越える。さらに女性参加によって差別を撤廃する」
「スポーツは教育や健康を増進する。それを有効活用すれば世界から貧困を減らす一助になる。今後もアイデアをどんどん出して普遍的価値を模索しなければならない。そのために持続可能なプログラムを作り上げることが重要だ。文化とスポーツを融合させて有効活用させることが必要だ。スポーツは国家間の障壁を撤廃する手段なる。サミットは新しいイニシアチブを構築する。サミットを毎年開催し、友情を繋いでいくことを希望する」と述べた。
「スポーツ平和サミット東京大会」総括と閉会の挨拶「何度も繰り返すことで世界に浸透」スポーツ平和サミット実行委員長 半田晴久氏
以前にアセアンの人たちを中心に「アジア・エコノミック・フォーラム」を作った。アセアンと関わっていると、アセアンではシンポジウムやサミットがやたら多く、アセアンの政治家は会議ばかりやっているという印象を強くした。とにかく世界で一番多いと思う。しかし、会議を重ねていると、タイ、ライス、カンボジア、ミヤンマー……それぞれの主張が解ってくるもの。そして仲良くできる。
国益が全く異なるのに仲良くなれる。頻繁に会って意見交換するので、国益がどこにあるのか、問題点は何かが理解できるようになる。そして仲良くなれる。スポーツ平和サミットも同じ。世界中の国が集まり、さまざまな人がこのサミットに関わると相互に理解が進む。常に会議を開いて会っていると解り合えるものである。
ゴルフをやり、カラオケを歌い、ドリアンを美味しくいただく――この3つをこなさないとアジアでは成功しないと言われている。そのようなヒューマンリレーションが大切だ。ゴルフをやり、カラオケを歌うということは人間のコミュニケーションを促進する。
デートだって手紙だって回数が多いほど理解・信頼・愛情が確かめられて仲良くなれる。このことがアセアンと関わって解ったことである。つまりどんなに素晴らしいことでも1回だけでは影響を与えられない。スポーツ平和サミット第一回はロンドンだったが、その後、世界を回り、今年は東京で開催した。そのことによって社会に浸透し、国を超え、スポーツの種類を超えて理解が深まった。
また、ゴルフの世界を見たら理解できると思うが、ゴルフ界はバブル経済崩壊で衰退した。しかし、近年また回復した。その原動力になったのは何か。石川遼という一人のスターが出たことだった。そのスターによってゴルフ熱が再燃した。15歳で勝った。するとライバルが出てきた。先輩たちも頑張りだした。そのことによってゴルフ界全体が活性化してきた。
スター選手の出現で環境が活性化する
女子ゴルフもそうだ。宮里藍が18歳で優勝し、ゴルフブームが起きた。これによって大会の回数も増えて観客も増えた。つまりスターの登場によってゴルフ界が活性化してきたのである。
また、ボクシング界のマイク・タイソンや米国のプロゴルファーのタイガーウッズの登場で、それぞれの世界が活性化した。この姿を見て若い人たちが次を狙う。一般の人もボクシング界やゴルフ界に興味や関心を持つようになった。このようにスポーツの価値を広めていかなければならない。
今回のサミットでもスターがたくさん参加してくれた。そのことによって会場の皆さんが行こうということで足を運んだ。その意味でスターの社会的責任は重いし、そのような星のもとに生まれた意味を噛み締めて、スポーツの素晴らしい意義を社会に浸透していかなければならないと考える。
他のサミットは40%が言葉の定義で終わってしまう。特に学者同士が会議をやると互いの揚げ足取りに終始する。観客は面白くないから行かない。それでは自己満足に終わる。こうしたイベントは社会に浸透し、多くの人に認められて初めて結実するものである。
音楽も奏でる人がいて、聴く人がいる。観客が感動しなければ音楽は成立しない。心をとらえる、関心を持たせる――これがスターであり、そのためにはプレゼン、仕掛け、演出も大きな役割を果たすものである。すべては人の心に浸透させるために持続するのである。そこにスポーツ平和サミット開催の意義がある。今回も大成功だった。多くのスポーツのスターたちに感謝したい